大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)929 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人工富工の上告理由について。

原審の採用した証言中に挙示の如き趣旨の伝聞証言と認められる供述部分の存す

ることは、所論のとおりであるが、民事訴訟において、伝聞証言の証拠能力は必ず

しも当然に制限されるものではなく、裁判官の自由な心証による判断に委されてい

ると解すべきことは、すでに当裁判所の判例とするところであり(昭和二五年(オ)

第一八一号、昭和二七年一二月五日第二小法廷判決、民事判例集六巻一一号一一一

七頁参照)、原審が所論伝聞証言の部分を採用した点には違法はない。�

なお、所論は、原審が伝聞証言のみを採用して直接見聞に基く証言を全部排斥し

たとしてその理由説示の不備を唱えるが、原判決は、右所論の如き証拠の取捨をし

てはいない。右所論は、すでに前提を欠くものであつて採るに足らない。

原審の認定判断は、挙示の証拠に照しすべて首肯できるところであつて、所論は、

いずれも原審の専権たる証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰着し採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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